位置天文学


天文学と一言で言えば、メジャーな分野であるが故に簡単に聞こえますが
逆に様々な分野があることは意外と知られていません。
「え?星見るだけじゃないの?」なんて顔をされることもしょっちゅうです。
細分化すればそれこそもう、紹介しきれないほどになるので
わかりやすい分類でまとめてみました、まずはぼくの専攻している位置天文学。

位置天文学というのは、その名の通り、宇宙の様々な天体の位置や距離、
運動などを扱う分野で、地味ながら重要な位置を占めています。

位置文学は天文学者が観測結果を記述する際の座標系を与えるという
基本的な役割(それぞれの星がどこにあるか)に加え
天体力学、恒星系力学、銀河天文学など複数の分野でのデータ算出に
最も重要なデータを提供しています。
「あの星はいつごろ生まれたのか?」とか「あの星とあの星の関係は?」など
位置天文学の基本データから、他の分野の研究に発展するということです。

また、時刻を管理するのにも位置天文学が深く関わっており
地球の自転を位置天文学によって計測し、地球の自転に国際原子時を
あわせることで協定世界時が保たれています。


位置天文学の歴史は古く、天文学の歴史の中でも最古の部類で
なんと紀元前、古代ギリシアの時代にすでにヒッパルコスによって
確立されていたと言われています。
残念ながら彼の著書は残されていませんが、現在でもそのまま通用する46星座を規定し
恒星を1等星から6等星に分類し、歳差による春分点移動を発見し
三角法による測量法を確立したと言われています。

これほど古代からの様々な研究が今に受け継がれている学問はごく珍しく
星という存在がどれほど人類の生活に影響を与えてきたかが伺えます。

もちろんそれほど古い位置天文学ですから今に至るまでの発展や業績も多く
ティコ・ブラーエの正確な位置天文学の知識による観測が
コペルニクスの地動説を生み出す元になっていたり
近代ではハッブルが系外銀河を発見することに始まることで確立された
ハッブルの法則によって、宇宙膨張が観測的に証明されるなど
目覚しい観測結果が得られています。
データがなければどのような理論も机上の空論にすぎません。
正しい理論と間違った理論を選別するのも、位置天文学の大切な役割です。